1993年(平成5年)8月の日記 その1

8月1日(日)晴れ 24.5℃

やまゆり

 長い梅雨が明けて、ようやく真夏の太陽が照りつけてやはり暑い。
 蔵の裏からの斜面を今年は自分で刈ったり、高田さんが刈ったりでヤマユリを残したので強烈な匂いをまき散らして満開である。

 昔は掘ってユリ根を食べたものだが、その時代から比べれば大分減っているから食べるどころではない。
 ねっとりとしたユリ根は甘いが、何でも食べる物のある今の時代、ユリ根を食べることもあるまい。

 30年近く前、うちに来た職人が、昼休みにユリ根を勝手にいっぱい掘って勝手に持って行ってしまった事を
 美代子がいつも悔しがっている。(我々が不在の時の話)。

 

 

8月4日(水)くもりのち小雨 19.5℃
 
 誕生日。59歳。

 

 

8月5日(木)朝霧雨 20℃ うすら寒い

 金魚のタンチョウは一匹元気が良かったが、昨日の朝から見えない。
 昨夜はいたからどこかにもぐっているのかもしれないが、腹のところの鱗が変な感じだったからちょっと心配。
 ヒメダカは完全にいなくなった。

 タンチョウは鯉に喰われてしまったのかもしれない。

 

 

8月7日(土)くもり夜8時半頃から雨 19℃

 誕生パーティー。
 バーベキュー。
 外で。

 外か中かで揉めるような天気で今にも降りそうであったが、結局外でやる

 

 

8月8日(木)朝小雨のちくもり夕方小雨 19℃ 寒い

 異常気象。冷夏。地震(北海道)。大雨(九州)。台風。不景気。

 

 

8月14日(土)うす晴れ 20℃

 キツネノカミソリ満開。
 高田さんがキツネノカミソリを残して斜面を刈ってくれたので、
 特に今年は美しく咲いたのを見る。

 母の初盆で、寺のお坊さんに来てもらう。

 

キツネノカミソリ
 

8月15日(日)くもり時々小雨 22℃

 昨夜からクロがなんとなく元気が無い。
 スティックチーズをやっても食べない。
 口の中へ入れてやっても食べない。
 すわ一大事、クロは今夜死んでしまうかもしれないと思った。

 何を食べなくても、チーズだけは待ち切れずに口や手を出すのに、横を向いてしまうとは重症以外に考えられなかった。
 が、チーズを食べない以外はさほど具合が悪いとは思えなかった。
 コタツの上にチーズを4つに折って置いて寝た。

 心配したが朝にはクロは元気になっていた。

 

 この家では、この5年間で3人が死んでいなくなった。
 人がたくさん集まると誰かがいなくなる。
 昨日も葬式の時のように人が集まったので、誰かが居なくなると思ったのではないか。

 おばあちゃん(母)とは二人で住んでいたから、居なくなったショックは特に大きかったのだろう。
 クロはデリケートな犬だ。
 四十九日が終るまでは、夜、玄関のカーテンの裾を鼻で寄せて表をジット見ておばあちゃんを待っていたり、
 寝ていても振り返ってフンフンと鳴いていたりしていた。

 

 

8月16日(月)小雨のち曇り

 7時45分、便所の窓を開けて外を見て用を足していると、チーッ、チーッという鳴き声。
 かなり便所に近い。途中だったがやめて水を流して外を見ると(水を流したのは音がして失敗だった!)、
 カワセミが鳴きながら飛んで、
 水桶の樋に止まって約5秒、
 便所の窓から見ている私をジット見ている。

 やがて牛小屋と納屋の間を飛んで見えなくなった。

 

 

8月20日(金)朝曇り 23℃

 朝7時40分、金魚や鯉にパンの耳を砕いて(前に腕を伸ばして)やっていると、
 カワセミが近くからチーッと鳴きながら飛んで来てサシ小屋の電線に止まった。
 ジッとこっちを見ている。自分も腕を前に出したままジッと見つめた。
 約30秒。
 くるっと向きを変えると東へ飛んでカリンの木の枝に止まり約3秒。
 それから東へ飛び去った。

 家の中へ入って約10分後、池の上を見ると、サシ小屋の電線に、裏の入口の方を見て止まっている。
 その後すぐにいなくなってしまった。

 8時半頃、寝室から池の上を見ると、サシ小屋の電線にまた止まっていた。
 カメラを構えようとすると、東の方へ飛んで行ってしまった。
 今日は何回も来るので期待した。

 9時5分。
 東屋の方からそっと見るとまた電線に止まっている。
 家の裏口のガラス窓から見るとまだ止まっているので、美代子を小さい声で呼んで二人で見る。
 10秒位。
 東へ飛んで行った。上の池でなぜ小魚を獲らないのか。

 9時45分頃、寝室で着替えをしていると、上の池の北側のカリンの枝にカワセミが止まってこっちを向いている。
 胸のオレンジ色がよく見える。
 美代子と観察していると(5分位?)、高田枝へ飛んで来たとたんダイビングした。
 魚を獲るためだったろうが、くわえていなかったから失敗したらしい。
 ヤマセミ根っこに止まった。
 5、6秒。
 すぐ峯岸枝に上がる。
 池の中をうかがっている様子がよく分かる。
 4、5分。
 結構長い時間。

 尻尾をグレーのようにピッピッと動かし、足を踏み替えて狙う動作5、6秒。
 さっと左45度へダイビング。
 クチボソの比較的大きなのをくわえてミドー枝に止まり、くちばしで枝に叩きつけ、頭を喉の方に向けてゴクリと飲んでしまった。

 

 映像では見たことがある。
 高田さんから聞いたことも頭に入っている。
 が目の当たりに見る小魚を獲る動作は感動そのものであった。


カワセミ372-12
 
 
このサイトに掲載されている写真・文章の無断転載を禁止します。全ての著作権は当サイトの管理人に帰属します。