2001年5月の手紙

山根 基世 様

 4月のカワセミ情報を投函した次の日、即ち4月18日、何処かへ営巣していたと思われたサンちゃんとサクラの番いがひょっこり揃って現れて、造った人工崖の穴へ猛烈な勢いで産室を掘り始めました。主にサクラが顔中泥だらけにして掘っていました。まだ多少幼さの残るサンちゃんは外の枝にとまって魚をくわえて待っています。サクラは突貫工事をやっているのです。きっと産卵が近づいているのではないかと思いました。19日も20日も産室堀りは続きました。土を入れ替えてリニューアルして良かったととても喜んでおりました。ところが4月21日、山根さんの声が聞こえ始めた頃、サクラがピタッと来なくなってしまったのです。ラジオを聴きながら観察していましたが、サクラの姿は夜まで見ませんでした。

 サンちゃんはどうなったのか理解できず、魚をくわえて只管サクラを待っています。私もどうなったのか分かりません。次の日もサンちゃんは魚をくわえて待っていて、くたびれると自分で食べて、巣穴へ入って暫く出て来ないというパターンが数日続きました。

 5月1日サクラと違うメスが来て巣穴に入りました。スワッ電撃結婚かと思ったら出て来て、枝にとまっているサンちゃんに目もくれず飛び去ってしまいました。この頃はサンちゃんもあまり来ません。嫁さん探しをしているのかもしれません。時々小心者のメスが来ています。池に慣れて、ガラス越しの人影を恐れなくなれば、サンちゃんと番いになる可能性もあると希望を持っています。

2001年5月
峯岸 信之