2001年6月の手紙

山根 基世 様

 池のまわりの花梨や無花果の葉がもう濃い緑になり、夏椿が、三つばかり咲き始めました。

 5月19日以来いなくなったサクラを魚をくわえて待っていたサンちゃんは、時に来るヤマセミに攻撃をかけます。ヤマセミが枝から枝へ移動する度にしつこく攻撃をかけます。サクラがいなくなっても必死で巣を守っているのです。まるで小さな戦闘機が戦いを挑んでいるようです。ヤマセミは全く無関心で見向きもしません。やがて一週間もすると、サンちゃんも漸くサクラがいなくなったことを認識して旅にでました。近年カワセミの数が減ってしまったのか、縄張りに個体がいなくなっても、すぐ別のカワセミが来ません。それで池は寂しいかぎりです。

 6月1日、サンちゃんが嫁探し行脚から手ぶらで帰って来ました。ちょうどその時、池の上の枝にメスのカワセミがとまっていました。サンちゃんは少し離れた所にとまって、少々頭を下げ、羽を震わせて親愛の情を表しました。写真1、メスはご覧の通りのポーズです。このポーズは求愛給餌でオスがメスに魚をやって、受け取ってもらった時、ヤッター!というポーズ、またはオス同士の戦闘態勢の時とるポーズで、メスがやるのは初めて見ました。

 どういう意味なのか分かりませんが、次には少しサンちゃんが近寄って魚を捕る態勢に(写真2)なりましたが、3分ばかりで魚は捕らずに、メスは東の方へ飛んでいってしまいました。サンちゃんはポカンとして、なんとも可哀想でした。サンちゃんは再び嫁探し行脚に出かけました。

2001年6月
峯岸 信之